五島列島への旅 – 2016年5月
五島列島に行ってきた。昔から気になっていた場所だが、なぜそんなに惹かれていたのかはよく覚えていない。ただ、中学の地理の先生が五島出身だったことだけは、今でもはっきり覚えている。
その先生は、いつも「俺の五島はなあ」と話し始めるタイプで、地元に誇りを持っていたけれど、都会での生活と、故郷の田舎の恵まれた環境とのギャップに悩んでいるようにも見えた。私もそんな先生に少し親近感を覚えたものだ。東京の大学を卒業し、地方の学校に赴任してきたばかりで、生徒たちとの距離感に苦労している様子も見受けられた。でも、どこか弱さを感じて、私はその先生が気になった。
あれから何年も経った今、先生はどうしているのだろうか。五島に行くと、そのことが思い出される。
五島でのグルメ
五島に着いたら、まずは地元の食を楽しむつもりだった。
私が特に楽しみにしていたのは 五島牛。肉好きの私は、どうしても地元の牛肉を味わいたかった。そして、もう一つが 椿油の揚げ物。いろいろな情報を見ていると、椿油で揚げた天ぷらが美味しいという話をよく耳にして、興味津々だった。
もちろん、魚介類も外せない。特に 寿司 と お刺身 は必須メニューだった。
ホテルの人に美味しい焼肉屋を教えてもらい、そこで五島牛を堪能した。一皿2500円くらいの高級部位をお願いしたけれど、その味はまさに「価値ある肉」。ヨーロッパでは好まれない味らしいが、私はその肉の旨味に大満足だった。肉の味がしっかりしていて、まさに「牛肉!」という感じ。
そして、椿油を使った料理や新鮮な魚も、どれも美味しくて大満足だった。
予期せぬ波乱
天気が悪く、長崎からの船が出ないのではと心配していたが、なんとか無事に出航してくれた。しかし、船が激しく揺れ、船酔いしそうになりながらも、なんとか五島に到着。後から聞いた話では、その後の船は欠航になり、観光客の予約キャンセルが相次いでいたそう。島にとっては大変な出来事だったろうけれど、私にとっては観光地が空いていてラッキーだったのかもしれない。
椿茶屋でのひととき
椿油の揚げ物が食べたくて訪れた 椿茶屋。ここもまた、静かな場所で少し寂しさも感じたが、食事はとても美味しく、炉端での食事も楽しめた。
地元の焼肉屋
地元の人に「美味しい五島牛が食べたい!」と伝えると、みんな口を揃えて「ここがオススメ!」と言って紹介してくれた焼肉屋に行ってみた。小上がりの座敷に案内され、ゆったりと食事を楽しんだ。地元の人々が宴会を開いていたり、家族連れが訪れたりしていて、なんだか温かい雰囲気だった。
福江のスーパーと地元の味
福江のホテル近くにあるスーパーで、地元の惣菜を買ってみた。お刺身はもちろん美味しかったし、家庭的な味の惣菜もどれも素朴で美味しかった。
旅行先で地元の食材を使った惣菜を楽しむのが好きで、ちょくちょく買い物に出かけることが多い。やっぱりその土地ならではのものを楽しむ方が、旅行の醍醐味だと思う。
ホテルで出てきたご飯もとても美味しくて、目の前でよそってくれたほかほかのご飯がとてもありがたかった。
福江の寿司屋
福江で訪れた寿司屋は、観光客が少なく、島全体が静かな雰囲気だった。お寿司自体は特に印象には残らなかったけれど、ここで食べた 五島うどん がとても美味しかった。のど越しが良く、あっさりとした味わいで、疲れた体にぴったりだった。
アルメイダ病院とザビエル
「アルメイダ病院」という名前を初めて聞いたときは、正直ピンと来なかった。何か宇宙的な名前で、マンガの中に登場しそうな感じだなあと思った。でも、ザビエルを追いかける旅をしているうちに、アルメイダがどれほど影響力のある人物だったのかを知ることになった。
アルメイダは、16世紀にヨーロッパを旅し、ビジネスで成功を収め、さらにお金と権力を手に入れた後、それらを全て捨てて生きる道を選んだという。彼の生涯を知るうちに、その多くの業績に感動することができた。
1525年にリスボンで生まれ、1583年に天草で亡くなるまで、多くの歴史的な足跡を残したアルメイダ。堂崎天主堂を訪れた際には、またその名を目にすることとなり、彼の影響が五島にも大きく残っていることを実感した。
五島の教会
五島には華美な教会は少ないが、どの教会も凛とした佇まいをしている。その佇まいの中に、五島の歴史と深い意味を感じることができる。訪れる度に、静かな力強さに圧倒されるような気がする。
福江の街歩き
福江の町をぶらぶら歩いていると、素晴らしい 石垣 がたくさん残っていて、どこを歩いても楽しかった。
また、資料館で見たビデオがちょっと面白くて、五島の歴史について改めて学ぶことができた。石垣を眺めながら、昔のバラモンの空気が感じられたような気がする。
五島の風景や食、そして歴史に触れることができた素晴らしい旅だった。これからも五島のことを思い出しながら、その土地の人々や文化を大切にしていきたい。
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