成田空港のターミナル1にあるプライオリティパス・ラウンジ「NOAA」は、その規模を広げ、提供するホットミールの種類を増やし、訪れる者を魅了せんばかりの進化を遂げつつある。うどんに牛肉を添えた一皿はその例たるもので、口当たりの温もりと程よい塩加減が旅の始まりを祝してくれておる。焼きそば、団子、そして愛らしいサイズの鯛焼きが並び、思わず箸を進ませずにはおられぬ。
これより乗機の時。異国の空へと我が身を委ねる準備は整いし。
食事の味わいは、まぁ並程度といったところであろうか。さすがに家庭の味、我が家のぎうどんには及ばぬ。ここで満席の機内へと足を進め、窓の外に見えるは仁川行きのエアブサン機。成田は今日も多くの旅人で賑わいおり、胸中にもわずかなる高揚を覚える。
宿へと到着し、天もどうやら我に味方せり、雨の兆しもなく清らかな空が広がっている。
ホテルのカクテルアワーにて一息つくも、提供されたワインは赤白ともに凡庸な味わいであり、心躍らすものにはあらず。
が、それでも右の白ワインは空気と相交わるといくらかの芳香を得て、のど越しに淡き喜びを与えてくれた。
さて、釜山の朝は穏やかな晴れ模様にて始まりぬ。これよりホテルの朝食を楽しもうとするところなり。
モールの屋上に立てば、空は澄み、風は心地良く、何とも言い難き晴天に恵まれている。
目下、建造中のコンテナ船が視界に入る。何とこれは二万個のコンテナを積載可能なる「メガコンテナ船」とのこと。現代の技術の粋を凝らしたこの巨船には、ただただ驚嘆せざるを得ぬ。
釜山金海空港の国内線ターミナル、コリアンエアラウンジは閑散としており、静寂の中、これより済州へと飛び立たん。
済州空港の到着案内ボードはなかなか見ごたえがあり、その便数の多さにはただ驚くばかりである。何と世界でも一二を争う頻度とは。これこそ済州の特色と言えよう。
ブランチには郷土の味、骨付き豚肉のチゲを味わうことに。外見に似合わず辛味は控えめで、出汁がしっかりと効きつつも脂っこさはなく、あっさりとした食感にほのかなる満足感を覚えた。だが、青唐辛子をかじれば、後より辛みがじわりと口中に広がり、これもまた一興である。
雨が降り続き、行動の選択肢も少なくなる。ホテルの喫茶店で一息つきつつ、ふと窓外を眺むれば、悠々としたIRに併設されるホテルの周辺環境が目に入る。
ホテルの24時間フィットネスジムにて、我がトレーニングを完全にやり遂げし。三日連続の朝トレーニングの甲斐あり、旅の疲れも軽く、次なる地へと歩みを進める活力を得た。
済州空港にあるコリアンエアラウンジではプライオリティパスを利用し、旅の疲れを癒しつつ、しばしの静寂に浸る。隣には彼の食事も並び、何とも賑やかなことである。
仁川のハブラウンジもまたプライオリティパスにて利用可能であり、旅の終わりを感じさせる一場面であったが、ふと、我が身の失態に気づかされる。何とおみやげに買い求めしレトルトカレーを機内持ち込み荷物に入れてしまい、出国検査にて没収の憂き目に遭う。液体であるが故の規制対象であると気づかず、結果として1100円の損失とは、何とも口惜しきことかな。しかしながら、かの教訓を胸に、今後は失敗を繰り返すことなく、また新たな旅路へと赴かんと誓う次第である。
おわり
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