ラオス0 昔の旅の思い出

初めて旅したのは20世紀末。首都ビエンチャンである。政府のビルは4階か5階建てで、周りには高いビルが少なく、町はとてもゆったりしていた。川が流れている町で、他のアジアの都市と違って外食文化はあまり盛んではない。

泊まった宿は2階建ての民家のようなところで、夜は早くてすごく静かだった。車もあまり走っていなかった。朧げな記憶しかないが、その宿に荷物を預けて北の方にバスで一泊旅行をしたことは覚えている。しかし、旅行先の記憶はもうない。ただ、バスの中から見た景色は鮮明に残っている。砂埃の黄土色の道が続き、点々と町が現れ、中心にはミニマムな商店があった。その町を見ながら、不思議な気持ちになった。

「ここで暮らす人たちはどんな人生を歩んでいるのだろう」と考えた。マレーシアにいたから余計にそう思ったのかもしれない。バスからの風景が、自分にとってのラオスの風景となった。

当然、時は流れ、その時の面影は全くなくなった。外資系のホテル、鉄道、ショッピングモールができている。一方で、寺院はそのままのはずなので、記憶は薄れても再会できるかもしれない。何か思い出せるだろうか。

ミャンマーとカンボジアは人と一緒に行ったため、現地の人たちとの交流があった。思い出が色々あり、印象が強い。あの時会った人たち、話を聞いた人たちはどうしているのだろう。公然とは言えないが外国の人たちに本当の考えを伝えたいと語っていた人たち。それが本心なのか、プロパガンダなのかは分からなかったが。遠い昔の記憶を微かに思い出して、少し無力感を感じる。

最近、詳しいラオス料理の本を読んだ。ラオス料理はあまりイメージがなく、日本で紹介されることも少ない。読んでみると、馴染みがなさ過ぎて思わず笑ってしまった。「ラオス料理ってこんなんだったのか!」と思った。家庭料理が中心で、家族が農業とつながっているため、家の米を使い、おかずを足して食事を楽しむ文化だったらしい。

餅米や、魚を漬け込んだ調味料の料理、石臼でついた和え物などがある。甘みよりも苦味、辛味、エグ味が強調された料理が多い。特に辛味は、単なる唐辛子よりも生姜やハーブを使って引き立てるらしい。彼らの普通の味は、私には強すぎるかもしれない。気をつけよう。

観光客向けのラオスセットのような料理を試してみたいと思う。ホテルの近くにもそういうお店がありそうだ。外食文化が元々大きくないため、他の食文化が混在しているところは避けたい。今回はラオス色の強い料理を狙ってみることにする。

ラオスはどんなところだろう。

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